工事現場への主任技術者等の配置義務
建設業の許可を取得した者は、元請下請の別に関わらず、すべての工事現場に主任技術者(又は監理技術者)を配置しなければなりません。
なお、主任技術者とは、その工事に関する一般建設業許可の専任の営業所技術者の資格要件を満たす者のことをいい、監理技術者とは、その工事に関する特定建設業許可の専任の営業所技術者の資格要件を満たす者のことをいいます。
以下の各建設工事について要件を満たす場合は、特定営業所技術者は主任技術者又は監理技術者の職務を、営業所技術者は主任技術者の職務を兼ねることができます。ただし、専任特例を活用する場合を除きます。また、(1)~(3)の併用はできません。
(1)主任技術者又は監理技術者を専任で配置する必要がある建設工事
①所属する営業所で契約締結した工事であること
②兼ねる工事の現場数が1以下であること
③下記の1~7を満たしていること(監理技術者又は主任技術者の兼務特例)
1 各建設工事の請負代金の額が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること
2 建設工事の現場間の距離が、一日で巡回可能かつ移動時間が概ね2時間以内であること
3 当該建設業者が注文者となった下請け契約から数えて、下請次数が3次以内であること
4 監理技術者等との連絡その他必要な措置を講ずるための者(連絡員)を当該建設工事に配置していること※ 1
5 当該工事現場の施工体制を確認できる情報通信技術の措置を講じていること
6 人員の配置を示す計画書の作成及び現場に据置いていること※ 2
7 当該工事現場以外の場所から現場状況を確認するための情報通信機器を設置していること
④当該技術者が所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること
(2)主任技術者又は監理技術者を専任で配置する必要がない建設工事(営業所と工事現場が近接している場合)
①所属する営業所で契約締結した工事であること
②所属する営業所での職務が適正に遂行できる程度に近接した工事現場であること
③所属する営業所と常時連絡が取れる状態であること
④当該技術者が所属建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあること
(3)主任技術者又は監理技術者を専任で配置する必要がない建設工事((2)の場合以外)
①(1)の要件を全てみたすこと
※1 土木一式工事又は建築一式工事の場合は、当該建設工事の種類に関する実務経験を1年以上有する者を配置。
※2 電磁的記録媒体による措置も可能。当該計画書は、帳簿の保存期間と同じ期間、当該建設工事の帳簿を保存している営業所で保
存しなければならない。
☆ 公共工事かつ専任性を求められる工事については、発注者へ事前に確認をとってください。
一括下請の禁止
請け負った工事について、他社に一括して下請けする行為、他社から一括して下請負される行為の双方が禁止されています。
特定建設業許可業者の義務
施工体制台帳・施行体系図の作成義務
発注者から工事を直接請け負った特定建設業許可業者が、5,000万円(建築一式工事の場合8,000万円)以上を下請負して工事を施工する場合には、特定建設業を取得する必要があり、その工事に係る全ての下請負業者を明らかにする施工体制台帳・施工体系図を作成しなければなりません。
また、その場合、現場には、主任技術者に替え、監理技術者を配置する必要があります。
下請負人への指導義務
発注者から工事を直接請け負った特定建設業許可業者には、その工事に係る全ての下請負業者に対する法令順守指導の実施、法令違反を是正しない下請負人があった場合の通報義務が課せられています。